炭火焼マフラーカッター
外すとこのようになってます
これをご覧になり鉄のフライパン(または中華鍋)のようだと思われた方はご明察。まさに空焼きと油ならしを施した鉄の筒ですので。鉄鍋でやるのと全く同じ工程で、形状が鍋なのか筒なのかの違いだけ。つまり色が変わるまで焼きを入れて 酸化被膜 を表面に形成させ、食用油を塗っては煙が出るまで加熱して、を何度か繰り返したものになります
鉄鍋の空焼きは通常ガス火でやることが多いと思いますが、これは七輪でやりましたので炭火焼きというわけ。
一応マフラーカッター何かご存じない向けに説明しますと、たんなる金属の筒ですね。無くても困りません。飾りです。もともと純正マフラーの出口は細くて垂れ下がった形状になっていて、車両後部の格好が引き締まりません

そこでこの情けない部分により太い筒を被せて誤魔化したく、そのような需要に対応する 既成品 が販売されております
しかしこのようなものをただ買ってポン付けして終わりというのはつまらないですね。そもそもただの筒ですのでこの程度は自分でちょっと何かしてみようと思いました
なぜ炭火なのか
勿体ぶっておいてなんですがとくに深い意味はありません。ガスでやっても仕上がりにたいした違いは無かったでしょう。我が家ではガスより七輪のほうを日常的に使ってますんで、自分のやりやすい方法で焼いたというだけ
ただし、空焼きをするのに十分な火力を炭火で出すのはそう簡単ではない(普通に熾しただけではそんなに温度が上がらない)ですし、安全な環境が確保できていないと火災や一酸化炭素中毒のおそれが倍増します。炭の種類や状態によっては激しく爆ぜたりする恐れもあります。したがって、経験や技術が不足している人におすすめできるような事ではありません。下手な火遊びはやめておきましょう
なお実際に空焼きしていたときの画像はありません。撮影する余裕がありませんでした
錆びないのか
錆びます
これは鉄なので仕方ありませんね。いくら酸化皮膜+油膜で保護層を形成しているからと言って、雨ざらしにしても絶対大丈夫というような防錆性を保証できているとまではいきません。
ちなみに酸化被膜と呼んでいるものも、いわゆる黒錆で、錆の一種ではあります。それとは別に、たんに錆と言った場合はたいてい 赤錆 の事を指します。赤錆のほうは放っておくとどんどん進行し、ひどくなると母材を腐らせてしまう厄介もの。これを鉄製品ではいかに防ぐかということで、塗装をしたりメッキをしたり鏡面にしたり、日々みんなが腐心しているわけです。黒錆を意図的につけてやるのも防錆の一種ということですね。鋼の包丁や鉈などの刃物でも黒打ちがありますが、あれもやはり意図的に防錆目的で黒錆にしている(製造過程で出たものをあえて残している)ものです
とはいえやはり黒錆は完璧ではなく、水分や汚れ等は直ちに排除するのが基本でしょう
鉄鍋や炭素鋼の刃物だってちゃんと手入れをしていなければわりと簡単に赤錆がきます。料理人のフライパンが錆びてないのは、ちゃんと毎日正しく使用し、手入れをしているから。
しかしこれはフライパンではなく車体に取り付けている部品ですから、毎日のように取り外してはササラで洗って火にかけて水分を飛ばして油膜を張り直してから、また取り付けて、、なんてことは、さすがにやっていられません。せいぜい取り付けた状態のまま新聞紙で拭くとかですかね。濡らしたままなどにしていたらすぐに赤錆にまみれてしまう事でしょう。とくに融雪剤はまずい(塩なので)
走行することで毎回熱が入りはするので防錆面で有利になりそうと思いたいところですが実際はたいして高温にはなりません。自分の運転ではそんなにブンブン回すわけでもないですし。それでも素手で触れないていどにはなりますが、100℃まではいってないでしょうね。つまり水滴がついてもすぐに蒸発しない。それを放っておくと赤錆が待ち構えてます
車両本体は飾りではなく実用車なので雨の日や雪の日は出しませんというわけにもいきません。
ふだんは屋根付きの車庫に入るため雨ざらしは避けられるのですが。
ともかく、防錆の観点からは濡れたり汚れたりするのはしょうがないので、そうなったらその都度こまめに拭いたりなどの手間は必要になってくるだろうと言うこと。
しかしそんな事は始めから百も承知。鉄とはそういう素材なのであって、 錆びたら磨きなおせばよいのです
毎日は無理でも、気が向いたときに取り外してある程度の手入れはする想定です。状態次第ではまた空焼きすればよい。これも鉄鍋を錆びさせてしまったときの処置と同じ事。
なんでそんな面倒なことするの
なんでって言われましてもそういうお遊びだからです。この物体で以て個性を主張するとともに、自分で眺めては「あーやっぱ俺の車かっこいいわ」などと満足感に浸るため。(←なんだこいついい歳して笑)
そしてこの鈍い黒光りにはそれだけの手間暇をかけても惜しくないと思わせるだけの魅力があるのです
鋼の包丁やフライパンも、使い込みつつもきちっと手入れをしていると新品では出せない光沢を放つもの。手を抜くとすぐ錆が浮いてくるのですが、だからこそそそうならないよう綺麗に光らせていることに価値があるわけです
料理道具であれば鉄が持つアドバンテージ(切れ味や研ぎやすさ、油なじみの良さ等)がその使用動機であり、錆の面倒を差し引いても利用価値が認められる一方、いざ錆が発生してしまうと肝心の料理に無視できない影響が出てきてしまいます
けれどもマフラーカッターなんて実用性ゼロのただの飾りに過ぎませんので、そこまで神経質にならなくてもいいわけでして、料理道具に比べれば随分気楽なものです。手入れのときも刃物と違って手を切ったり刃先を欠けさせたりする心配は無いので屁でもありませんね
だいたい、仮に錆びたとしても困りませんので。面倒なら外せば済む話です。だってこんなもの無くても車は全く問題無く走れるわけですから。あとは気が向いたとき磨くなり焼くなりすればよいこと。
懸念点
懸念が無いわけではありません。マフラー本体に接触させて取り付けている関係上、接触部が錆びたさいに本体がもらい錆してしまう恐れがあり、そうなるとやっかいです。
あとは固定に使用しているバンドがステンレスなので、異種金属を接触させていることになりますが、これも赤錆の原因になる可能性があります。バンドのほうは素材を変えるか、これも焼くか、耐熱塗装するかですかね。まぁ、様子見ながらいろいろやっていきたいと思います。自分の車ですんで実験台です
それよりも重要なことはきちんと固定して絶対に脱落しないようにすることでしょう
設計・加工・装着
だいたい次に示すようなやり方で制作しました。車種はチェイサー GX100 アバンテ(1G-FE)になります
サイズ決め
段ボールで模型となる円筒を作成。実車に合わせて調整していき、丁度いい直径と長さを追い込んでいきます。長すぎると邪魔だし、短すぎると格好がつかず無意味。太すぎても嫌だし、細過ぎてもやっぱりダメ。なので自分のセンスや取り付け方法の制約など諸条件を踏まえてちょうどいい落とし所を見極めることになります
素材の選定
もう言うまでもありませんが鉄にしました。焼いて黒く光らせたかったので。それに安い。ステンレスと比べると大変お得感があります。失敗したらまた買い直せば直せばいいや、くらいの感覚です
調達
ネット通販をやってる鉄工屋さんに発注します。パイプの切り売りなんかをしてますので、前工程で決めた通りの寸法で頼みます
鉄丸パイプ STKM 機械構造用炭素鋼管 76.3φ x 2.0mm(厚) 長さ:220mm 約 800gという仕様になりました
空焼き・油ならし
詳細は冒頭に記載したとおりです
※後述の穴開けは焼く前にしています
穴開けと固定
固定方法はいろいろ悩んだ挙句、ホース用金属製バンド数本でマフラー本体の出口に締め付ける方法を採用しました。取付時の角度が狙ったとおりになるよう多少の工夫をしています。このあたりは現車と合わせながら具合を見ていく地道な作業です
固定用のバンドを通すためと水抜き用に穴をいくつか穿ってます。素人がドリルで適当に開けたものなので下手くそなのはご容赦ください。どうせ取り付けたら目立たないので気になりませんが。
しかしパイプの板厚が 2mm もあるので穴開けが一苦労でしたね。重厚感があるのはよいのですが、重量増などの難点もあり、支持母体となっているマフラー本体や釣ってる部品への負担は気になるところではあります
それにこの厚みゆえ、飾りにしては無駄に剛性が出てますので後退時に車止め等にぶつけた場合、これ自体が変形することなくマフラー本体等にもろにダメージが行くことになるでしょう。この車両は車高短にするつもりは無いし、純正の出口後端の地上高とほとんど変わらないように取り付けていますので地上物にぶつけるリスクは低いとはいえ、これも難点の一つと言えるかと思います
とはいえ、この直径の鉄パイプですとこの厚みしか選択肢がなかったので、直径を決めた以上厚みに関しては選ぶ余地がありませんでした。本当は 1mm ~ 1.6mm くらいでじゅうぶんだったと思います。ともかく、
こんなものになります
※2.5 年ほど経過した 2025/01 現在も装着していますが赤錆はそれほどではなく、固定も点検してますがとくに問題ありません